こじか総合法律事務所
年末調整って何?書き方も含めて
毎年年末になると「年末調整」という言葉を耳にしますが、一体どのようなものかをご存じですか?この記事では、年末調整の基本的な仕組みや書き方、注意点を網羅的に解説します。
1. 年末調整とは?
年末調整とは、給与所得者(会社員やアルバイトなど)の1年間の所得税額を正しく計算し、過不足を調整する手続きのことです。給与から天引きされた税金(源泉徴収税額)が、実際に支払うべき税額と一致しない場合、以下のように調整されます。
- 払い過ぎていた場合は還付される
- 不足していた場合は追加徴収される
会社が従業員に代わって行うため、通常は確定申告が不要になります。
2. 年末調整で必要な書類
年末調整を行う際に、従業員が提出する主な書類は以下の通りです。
- 扶養控除等申告書: 扶養親族がいる場合に提出
- 保険料控除申告書: 生命保険料や地震保険料の控除を申請するための書類
- 配偶者控除等申告書: 配偶者控除や配偶者特別控除を受けるための書類
これらの書類は通常、会社が用意します。また、控除対象の証明書(生命保険料の控除証明書など)も忘れずに添付しましょう。
3. 年末調整の書き方
3.1. 扶養控除等申告書の記入方法
扶養控除等申告書では、以下の項目を記入します。
- 自分の基本情報(氏名、生年月日、マイナンバーなど)
- 扶養親族の氏名、続柄、生年月日、所得状況
- 障害者控除の対象である場合、その旨を記載
3.2. 保険料控除申告書の記入方法
保険料控除申告書では、生命保険や地震保険の控除を申請します。控除対象の金額や証明書番号を記載し、証明書を添付するのがポイントです。
- 生命保険料控除:控除証明書の情報をもとに「一般」「介護医療」「個人年金」の区分ごとに記載。
- 地震保険料控除:地震保険料を控除証明書に従い記載。
- 証明書の添付:証明書を必ず添付。
- 間違いや漏れに注意:特に証明書番号や金額は慎重に記載。
- 契約者に注意:家族名義の保険料は対象外。
- 旧契約と新契約の区別:2012年以前の契約は「旧契約」として記入。
3.3. 配偶者控除等申告書の記入方法
配偶者控除等申告書では、配偶者の所得状況や生年月日などを記入します。配偶者特別控除を申請する場合も、この書類を利用します。
4. 年末調整の注意点
- 提出期限を守る: 通常、11月から12月初旬。
- 証明書の添付を忘れない: 控除証明書類は必須。
- 変更があれば更新する: 住所や扶養家族の変更を反映。
5. 年末調整後にやるべきこと
年末調整が完了すると「源泉徴収票」が発行されます。翌年の確定申告時に必要なので大切に保管してください。
- 医療費控除を受けたい場合
- 住宅ローン控除の初年度
- 副業などで所得がある場合
6. おわりに
年末調整は、正しい税金の支払いを行うための大切な手続きです。記入内容や提出期限を守り、適切に対応することで税金の過不足をスムーズに解消できます。不明点がある場合は、会社の担当者や税理士に相談しましょう。